2019年11月15日ブログオープン!

検察庁法改正案の本文と内容を読んだうえで、書かれた記事やネットの風潮について思うこと。


こんにちは、管理人のあふさです。

昨日ツイッターで #検察庁法改正案に抗議します がトレンド入りし、何百万ものツイートがされました。

これを受けて各放送局などがニュースで大きく取り上げたため、多くの人がこの問題について関心を持ったと思います。

私自身、少し前から「コロナの陰で悪法が審議入りしている」という噂は聞いていたものの具体的な内容については特に調べてはいませんでした。

しかし今回の騒動が起こったことで、多くの方と同じように私も検察庁法改正に興味を持ち、納得のいくまで調べてみました。

その結果、少し思うところがあったのでこうして記事にしたという次第です。

ブログのジャンル外の内容ですが、私が調べた内容が少しでも多くの人の参考になれば幸いです。
興味が無いという方は、そっとページを閉じてください。

検察法改正案について


さて、皆さんは今回の検察法改正案が具体的にどういう内容かご存知ですか?
そもそも本文を読んだことはあるでしょうか?

ここは私も少し苦戦した部分なのですが、
検察法改正案の本文自体がちょっと見つけづらいんですよね。
検索してもネットニュースの記事ばかりが引っかかるので。

というわけで、リンクを貼っておきます。

検察庁改正案の新旧対照条文

私はこれくらいしか見つけられませんでしたが、ひょっとしたら他にもっと分かりやすいものがあるかもしれません。
ご存知の方がいれば教えていただけるとありがたいです。

2020/05/13追記

↓こちらが全文になります↓

国家公務員法等の一部を改正する法律


そして具体的な論点なのですが、
ここに関してはこちらの記事が非常に客観的かつ丁寧に解説してくれているので分かりやすいです。

いったい検察庁法改正案の何に抗議しているのか

こちらを読めば、ほとんどの問題点は理解できると思います。

素人である私がこの記事で検察法改正案について解説してもしょうがないので、内容が分かっていないという人は上記の記事を読んでみてください。

以下これらの内容を踏まえ、私が感じた事について書いていきたいと思います。

黒川検事長について


この問題が話題になった当初、
「この法律によって黒川検事長の定年延長が決まり、現政権寄りの黒川が検事総長になれる」といったようなことが言われていました。

しかしその後、法律の施行が令和4年の4月からであるという事が知れ渡り、今では「左翼がミスリードしたんだ!左翼が黒幕だ!」というような論調が強まっています(笑)

この点について、先ほど紹介した記事の一部を引用させていただきます。

・黒川検事長のお誕生日は2月8日(今年で63歳)。閣議決定で2020年8月7日まで勤務延長とした。
・現検事総長の稲田伸夫氏は2018年7月25日就任であり、検事総長の平均在任期間は2年であることからすると、2020年7月25日までに退官されることが考えられる。もっとも稲田氏が平均在任期間を超えて在任し、定年まで勤務を続けるとすると、稲田氏が65歳となる2021年8月13日まで退官しない可能性もあります。
 以上を考慮すれば、黒川氏が検事総長になるかどうかは、そもそも施行されていない改正検察庁法の問題ではなく、むしろ稲田検事総長の退官次第ということになります。稲田検事総長が定年まで退官しない場合、黒川検事長の勤務延長を再延長しなければならないことになります。

徐東輝:いったい検察庁法改正案の何に抗議しているのか


つまり黒川さんが検事総長になれるかどうかは、検察庁法の改定ではなく、稲田刑事総長次第だということです。

ただ、このことに関してはもう少し深く考えるべきなのかもしれません。

上記の記事に寄せられたコメントから知ったのですが、今回の検察庁法の一部は施行日ではなく公布日から適応されるようなのです。

付則
第一条 この法律は、令和四年四月一日から施行する。ただし、第三条中国家公務員退職手当法附則第二十五項の改正規定及び第八条中自衛隊法附則第六項の改正規定並びに次条及び附則第十六条の規定は、公布の日から施行する

国家公務員法等の一部を改正する法律p.133


そして、その公布の日から施行される既定の一つである付則第16条には、「新検察庁法に規定する年齢が六十三年に達した検察官の任用に関連する制度について検討を行い、その結果に基づいて所要の処置を講ずるものとする」という風にしれっと書かれているんですよ(笑)。

これだと法解釈次第で黒川検事長の任期再延長も可能という事にならないでしょうか?

左翼の工作だ、陰謀だと言われていますが、今のネットの風潮を考えるとむしろ与党によるミスリードが行われているようにも感じます。

だって、この記述について突っ込んでいるニュースって見たことあります?

「黒川のための法律だ」

「施行日は令和4月なので黒川関係ないよ」

「左翼の工作だった!陰謀だ!」

実際ネット世論はこんな感じになっていますよね?
でも黒川さんに関係あるかはともかく、施行日云々という反論は成り立たないんですよ?
でもその事にはニュースで触れない・・・。

ちょっと怖くないですか(笑)?


上の記事を書いた徐東輝さんはそうした指摘に対して、記事に追記する形でこのように答えています。

やはり検察庁法改正案にある施行日以前に検討を越えた何らかの措置が行われるという解釈はできないかと存じます。
ただし、これも法解釈の一つに過ぎないため、ぜひ議会において、本当に検討を越えた何らかの具体的な措置が行われないのかを議論し、政府の答弁を引き出していただきたいと思います。

徐東輝:いったい検察庁法改正案の何に抗議しているのか


つまり、徐東輝さん自身はそういう解釈は出来ないと考えるものの、法解釈次第では可能かもしれないということです。
そして今、審議の場には法務大臣が出席しなかったりという問題もある中で、与党は迅速に法案を可決しようとしています。

政府は、2月8日に定年となる黒川弘務東京高検検事長の定年を延長し、続投させる異例の人事を31日の閣議で正式決定した。法務省は、黒川氏を退官させ、その後任に、次期検事総長含みで林真琴・名古屋高検検事長を起用する人事案を固めていたが、官邸が黒川氏の検事総長起用を強く希望。同省はその意向に沿い年末から現検事総長の稲田伸夫氏に退任するよう説得してきたが、稲田氏が応じなかったためだ。黒川氏の検事総長の道は残るが、林氏は名古屋で退官する可能性が強くなった。

稲田検事総長が退官拒絶、後任含みで黒川氏に異例の定年延長 2020/01/31


そもそも、黒川検事長の定年延長自体が解釈変更のグレーゾーンであり、次期検事総長に誰を据えるかで官邸と稲田検事総長の間に対立が生まれていることも報じられていました。

もしそうした対立が事実であれば、稲田検事総長は8月13日まで退官しない可能性があります。
そうなれば、黒川検事長は検事総長になれません。

そのための予防線として、「新検察庁法に規定する年齢が六十三年に達した検察官の任用に関連する制度について検討を行い、その結果に基づいて所要の処置を講ずるものとする」という曖昧な一文を入れたという可能性は考えられるのではないでしょうか。

またこのまま黒川さんが検事総長になった場合でも、令和4年2月に65歳で定年となるので今回の改正案の施行日令和4年4月には間に合いません。

ですがその場合であっても、付則第16条の存在により定年の延長は可能だと思われます。
施行日まで定年を延長すれば、そこから法律に則り更なる延長もできるわけです。

なんにしても2019年秋当初の改正案と比較すると、2020年春の改正案は大きく複雑化していて、その間に黒川検事長の定年延長が閣議決定されたのは事実です。

ネットでは黒川検事長は関係が無いという論調になっていますが、与党が「黒川検事長の任期再延長はない」と発言しない限り、そういう意図が隠されている可能性は否定できないと思います。

2020/05/13追記

黒川検事長は検察庁法改正で68歳まで検事総長をできると法務省~やはり「政権の検察支配法案」

あーこれは(笑)

「黒川氏が」と固有名詞をあげて聞くと答えないため、一般論として「今年2月に63歳の定年を迎える検事長がいた場合(黒川氏のこと)、今の法制度と改正される新たな検察庁法の規定により、検事総長を続けることができるのは何歳までか?」と尋ねました。回答は「68歳まで続けられる」というものでした。

黒川検事長は検察庁法改正で68歳まで検事総長をできると法務省~やはり「政権の検察支配法案」


という事は、やはり付則第16条で延長可能なわけだ・・・。
こうなってくると、黒川検事総長誕生の可能性は極めて高そう(^-^;


さらに言えば、黒川検事長を検事総長にするための施策は、異例の定年延長が閣議決定された3ヶ月前に既に終わっているとも言えます。
このまま黒川さんが検事総長になる可能性が高いわけですから。

つまり今回の改正案は黒川検事長に関係ないかもしれませんが、安倍政権が黒川検事総長誕生のために強権を行使していないというわけではないんですよね。
国民が問題意識を持つ前に、とっくに終わっていたという事なのかもしれません。

そもそも何が問題なのかというお話


私個人としては上述のように、「黒川検事総長を誕生させるための改定」という可能性が全くないとは考えていません。
ただ仮にそういう意図が無かったのだとしても、この法案にはこれまでの背景を含め多くの問題があることに変わりはないのではないでしょうか。

・なぜ急いでこの時期にやる必要があるのか。
・昨年秋の当初の改正案から変更された理由はなにか。
・異例な検察への介入は何故行われたのか.etc…


どうも黒川検事長の問題が独り歩きして、他の問題点が忘れ去られているというか、認識されていない印象があります。

特に検察への介入に関しては、個人的にかなり疑念を持っています。
この問題に関しては、当初は「三権分立が~」と言われていましたが、検察庁は行政府に属するということが認知され始めてからは完全に鳴りを潜めています。

一般の検事の任命権は法務大臣が、検事総長のほか全国に8か所ある高等検察庁のトップ検事長などの任命権は内閣が持っていますが、実際には検察側が作成し、総長の了承を得た人事案を大臣や内閣が追認することが「慣例」とされてきました。

揺らぐ“検察への信頼”~検事長定年延長が問うもの~|NHK


ただこれまでの慣例としては、そういった人事に内閣は口を出さなかったのになぜこのタイミングで介入したんでしょうか?

「検察は行政に属するから」というのはまったく理由になっていないわけで。

それに、今回の改正で検事長の任期を内閣が懇意的に伸ばせるようになります。

改正によって検察の定年は65歳となりますが、検事長は63歳が定年のまま。
その後は平の検事として2年務めることになります。

しかし、内閣の要望があれば任期を延長することが可能となっています。

「以前から政治は検察に影響を及ぼそうとするし検察は独立を保とうとする綱引きはあったが、これまでは何とかバランスを保ってきた。それを支えてきたのが検察庁法で規定された『身分保障』と『定年制』で、政権は懲戒などを除いて検事を罷免できず、逆に検事は定年が来れば必ず退官する。つまり政権は人事を通じて検察にアメもムチも与えることができず『定年制』こそが政権からの介入を防ぐ『防波堤』の1つになっていた。今回のいちばん大きな問題は政治がこの『防波堤』を勝手に動かしてしまったことだ」

元検事 高井康行:揺らぐ“検察への信頼”~検事長定年延長が問うもの~


こうした問題は、「検察は行政に属するわけだから問題無し!」と簡単にまとめてしまっていいものなのでしょうか?

実際に黒川さんが刑事総長になるのか、法律が悪用されるのかというのはその時になってみないと分かりませんが、問題が単純化されてしまった現状には強い違和感を覚えます。

ネットのいい加減さに辟易する・・・。


まあしかし、1日でビックリするくらいネットの意見が変わりましたよね(笑)

当初は皆が安倍政権を批判していたのに、今は左翼批判が多くなっています(ヤフコメなど)。

真実を知った国民が目を覚ましたということなら良いのですが、
実際は多くの人がその時の風潮に流されているだけなのではないでしょうか。
よくまあ、罵詈雑言をはきながらコロコロ意見を変えられるなと感心します。

ヤフコメなんて著名人が概要を解説しつつ意見を言ったら、「なるほど腑に落ちました」とか「とても分かりやすいです、納得しました」とかそんなのばかりですからね(笑)。

・・・コメントしている方々は自分で調べないのでしょうか。
著名人の方々は自分の意見を言っているだけなのですが。
そういう人の勘違いや間違いはすぐ叩く癖に、自分で調べたりはしないんだもんなー(笑)

そういったコメントに限らずnoteやブログなどの記事も、当初は三権分立がどうのとか、黒川検事長を検事総長に据えるための改定だとか、いい加減なものが多かったです。
そういった記事は今どうなっているんでしょうかねー。

なんにしても、今回の件ではネットのいい加減さに本当に辟易しましたよ。

終わりに


私自身は今回の検察法改正案に関しては、
賛成か反対かというより、「今やるべきことではない」と考えています。

悪用される危険性がある法律ですし、
もっと議論を重ねてからでも問題はないのではないでしょうか。

ただ与党はなぜか速く成立させたいみたいですし、そこはやっぱ疑問です。
黒川検事長の件ではないとしても、何かあるのではと思ってしまいますよね。

なんにしても、与党が「黒川検事長は検事総長にならないし、定年の再延長もございません」と発言すればすべて終わる話なんじゃないかな。

疑われるような閣議決定をしたわけだから、そこが曖昧なままだと反対派は納得しないと思います。
そういう発言ができないのであれば、そういう事だったんだと思われても仕方が無いですよね。

20205月12日追記

堀江貴文氏「アホみたいな言説」検察定年延長抗議に

このホリエモンの意見はとても分かりやすく、違った角度から問題に切り込んでいて参考になりました。
一度ご厄介になったというバイアスがかかっているにしても、ためになる意見だと思います。
黒川検事長云々とは別問題ですけどね。