

管理人のあふさです。
皆さんにとって2019年を代表する漫画はなんでしょうか?
世間的には2019年は「鬼滅の刃」が大ヒットしましたね。
そのため、2019年を代表する漫画は「鬼滅の刃」というのが多くの方の認識だと思います。
しかし私にとって2019年を代表する漫画は、週刊少年サンデーで連載していた「湯神くんには友達がいない」でした。
奇しくも「鬼滅の刃」と同時に私が単行本を買い始めた漫画であり、2019年5月22日に完結しています。
世間的な知名度は鬼滅と比べるべくもないですが、私は名作だったと思っていますし、鬼滅よりも単行本の発売日が楽しみな作品でした。
この記事では、完結1周年を記念して「湯神くんには友達がいない」という作品の魅力をお伝えしたいと思っています。
「湯神くんには友達がいない」ってどんな漫画?
「湯神くんには友達がいない」
タイトルを見て皆さんはどんな内容を想像するでしょうか?
おそらくですが、ハーレム物を想像する人が多いのではないかと思います。
というのも近年本作のような名前のライトノベル等が多く出版されており、そうした作品は友達はいないけど多くの異性にモテるという作風のものがほとんどだからです。
例えば「僕は友達が少ない」なんかは良い例ですよね。
しかし、この「湯上くんには友達がいない」はそういう作品ではありません。
友達はいませんし、異性にも特別モテるわけではないです。
純粋なぼっちです(笑)
そう聞くと「そんな漫画面白いの?」と思う方もいるかもしれません。
面白いんですよ、これが。
この漫画の魅力は、主人公である湯上くんが自身を不幸だと1ミクロも思っていない所にあるんです。
湯神くんの思考がこの漫画のキモ
ではここで、湯神くんの友達に対するスタンスを聞いてみましょう。
第1巻でメインヒロインである綿貫千尋に対していった台詞がこちらです。

いやー、凄いw
こんな台詞言ってみたい(笑)
湯神くんには友達がいませんが、本人はその事を気にしていないどころか、友達が必要とすら思っていないという・・・。
湯神くんは物凄く我が強い人です。
典型的なぼっちキャラと違ってものをはっきり言いますし、周りの目も気にしないんです。
お昼休みの教室で、自作のお弁当を一人で美味しそうに食べるお方なので(笑)
しかも成績優秀な上に、野球部のエースという隙の無さ。
「野球部のエースなのにモテないの?」と思う方もいるかもしれません。
確かに、野球部の試合で活躍した直後は周りからもてはやされます。
しかしですね。

こんな事を堂々と言ってる為、みんなすぐ離れていくんですよ(笑)
「湯神くんには友達がいない」という漫画は、基本的にはそんな湯神くんに振り回される人々を描いたコメディーです。
一方で、学校生活における不必要な仲間意識や集団性というものを風刺しているという奥深さも魅力だったりします。
ぼっちライフを好み、我を貫く湯神くんの行動には、共感出来たり考えさせられたりする部分が多々あるんですよね。
人によっては湯神くんみたいな在り方に憧れるという人もいるのではないでしょうか。
そういったある種の哲学的な楽しみ方ができるという点が、この漫画の大きな魅力となっています。
ちなみに湯神くんですが、決して嫌な奴というわけではありません。
義務感はありますし、割と親切です。
ただ、そーとーに偏屈なんですよねw
湯神くんと綿貫さんの関係性が尊い
この作品の主人公である湯神くんには友達も彼女もいませんが、
当然ながらヒロインは存在します。
それが転校生であるちっひーこと、綿貫千尋さんです。

彼女は湯神くんとは真逆の性格をしています。
親が転勤を繰り返していたため友達ができず、これといった特技もない。
自分に自信がなくて、周りに流されがち。
そんな彼女は物語が始まる高校2年の春に転校してきます。
これまでは吹けば飛ぶような人間関係だった綿貫さんですが、長く暮らすことになった今回こそは友達が欲しい。
しかし、隣の席は友達はいらない湯神くんだったという(笑)

彼女は本当に湯神くんに振り回されていました。
湯神くんのせいで多くのトラブルにも巻き込まれます。
しかしですね、自分とは全く違う価値観を持つ湯神くんと接する中で彼女は大きく成長していくんです。
周りに合わせてばかりだった彼女がちゃんと自分の意見を言えるようになりますし、1人でお祭りを楽しむこともできるようになりました(もちろん友達もいます)。
そんな中で、湯神くんの存在も彼女にとって大きなものとなっていきます。
それは湯神くんにとっても同様で、ただの隣の席の人から少し気にかける存在へとランクアップします。
最終的に2人がどうなったのか、それは作中でもはっきりとは明言されていません。
湯神くんにとって綿貫さんは、最後まで友達ではありませんでした。
ただ、綿貫さんは湯神くんの良さを、湯神くんは綿貫さんの良さをよく理解しているんですよね。
そういう関係性はとても尊いものだと思いました。
そう聞くとラブコメ好きの方は残念に思うかもしれませんが、ファンの多くはこの漫画をラブコメと認識していると思います。
というのも、この漫画の結末は様々な受け止め方ができるものなんですよね。
普通に考えるのであれば、最後のあれはそういうことでありこの漫画はラブコメだったと見なすのが妥当なのかもしれません。

ただ時々入るラブコメっぽい描写を含め、深読みせずに読めば気にならない程度のものでしかなく、ただのコメディー漫画と見なすことも出来ます。
そのためラブコメは苦手、もしくは気恥ずかしいという人であっても読みやすいというのがこの漫画の良さです。
全体を振り返った時、湯神くんと綿貫さんの関係性をラブコメとして楽しむことも出来ますし、あくまでお一人様コメディーとして楽しむことも出来る。
そんなバランスのとれた最終回だったと思います。
ちなみに、私はあの最終回は大好きです。
人間味溢れるキャラクター
これまで湯神くんと綿貫さんを紹介してきましたが、
それ以外のキャラももちろん魅力的です。
この漫画は主人公である湯神くんが以上のような性格なので、湯神くんに対して好意を持っている人間がほとんどいないんですよねw

そのためそれぞれが色んな方向から掘り下げられているので、この漫画のキャラはとても人間味があります。
これは主人公に好意を持つ展開ありきの作品ではまず描けないものでしょう。
そういった中で、物語終了時点での湯神くんへ対する各キャラの評価が当初に比べれば良くなったというのも、後に引かない良い着地点だったと思います。
決して好きな人間ではないけど、嫌いな奴でもない。
とあるキャラの「距離を置いてみればそれなりに楽しい奴」という人物評は、とても的確なものでした。
だからといって、別に友達になったわけではないっていうのがこの漫画らしかったですねw
野球漫画・落語漫画としても楽しめる?
「湯神くんには友達がいない」の主人公湯神くんは、野球部でエースを務めており3年ではキャプテンも任されることになります。
また選手としての実力も相当なもので、
2年時、3年時共に2年連続で埼玉県の決勝まで勝ち進んでいます。
そのため当然試合の描写もあるわけですが、野球漫画として楽しめるかというと、どうかなという感じ。
3年時の夏の大会に関しては見応えのあるものでしたが、
全体的に見れば所詮はサブの要素なので、野球漫画として読むと物足りないと思います。
ただ、スポーツ要素のある青春物として楽しむのであれば全然ありですね。

また野球以外にも、湯神くんの趣味である落語要素も多く含まれています。
どちらかというと、野球よりも落語要素の方が濃かったように思いますね。
湯神くん自体が落語>野球ですし。
この漫画を読むことで読者が興味を持つとすれば、野球ではなく落語だと思います。
落語好きの人がどう感じるのかはちょっと分かりませんが、
あまり分からない人が見れば、ちょくちょく登場する小ネタなどは良いアクセントになっていたんじゃないかな。
終わりに

以上が、管理人が考える「湯神くんには友達がいない」の魅力になります。
いかがだったでしょうか。
個人的には、ここ数年で読んだ漫画の中でもトップクラスの面白さを感じた漫画でした。
週刊少年サンデーで月1連載という特殊なやり方だったため知名度は低いですけど、元々は週刊少年サンデーSで5話完結予定だったものが読者からの支持を得て16巻まで続いたわけなので、読んだ人からの支持は高かったのだと思います。
小学館にはもう少し推して欲しかったところです。
個人的にはぜひアニメ化して欲しいと思っている漫画のひとつですが、知名度が低いし全16巻じゃ2クールでも足りないので、現実的にはかなり厳しいかな・・・。
とにかくとても面白い漫画です。
少しでもピンとくるものがあれば、ぜひ手にとってみてください。
↓3話まではこちらから無料で読めます↓
湯神くんには友達がいない – サンデーうぇぶり
あけましておめでとうございますー!去年はお世話になりました。新作を作っては直しての毎日送ってます。今年もどうぞよろしくお願いいたします🙏 pic.twitter.com/dP62oTSOVs
— 佐倉準@湯神くん最終16巻発売中! (@Sakura_Jun) January 1, 2020
新作も書いているらしいので、
佐倉準さんの新作にも期待したいですね!
