2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : ラーゼフォン【感想・評価】


2002年1月から、2002年9月にかけて放送されたTVアニメ、
「ラーゼフォン」のレビューです。


【あらすじ】

「世は音に満ちて」

21世紀初頭の東京。
母子で暮らす高校生・神名綾人は、
模試会場に向かう途中に突如上空に現れた謎の航空部隊の攻撃に遭遇した。
破壊された街で、綾人は自分の描いた絵に酷似した風景の中で、
不思議な少女・美嶋玲香に出逢う。

玲香に導かれるようにして地下鉄に乗り、神殿にたどりついた綾人は、
卵から巨大な人型の存在「ラーゼフォン」が出現する瞬間にめぐりあわせた。
「真実を見せる」その言葉に従って、謎の女性・紫東遙とVTOLで東京を脱出しようと試みた綾人は、
玲香に導かれてラーゼフォンに同調、体内へと入っていく。
ついに目覚めのときがきた。

超兵器ドーレムを粉砕したラーゼフォンは、そのまま東京から飛び去っていった。
外から故郷を見た綾人は、そこに巨大な木星のような「TOKYO JUPITER」を目撃する。
謎の存在MUに占拠された首都は、不思議な膜に閉鎖され、住民は偽りの生活をさせられていた。
しかも外部には、12年も先の時間が流れていたのだった…。

東京を支配する「青い血」の人間とは何者か?
綾人とラーゼフォンには、どんな関係があるのか?
そして真実の世界で、綾人を待ち受ける運命は何か?

公式サイトより)



評価 84

【良い点】

伏線回収しつつ展開されるストーリー

世界の謎、キャラクターの正体や相互関係など、
当初は分からなかったことがストーリーが進むにつれてどんどん明らかになっていきます。
張られた伏線はしっかり回収しているので、ストーリとしての完成度は高いです。

ヒロイン関連の設定や仕掛けは凄く良かった!

そして、キャラの心理描写が上手く、感情移入しやすいことが、
本作のストーリーを、ただの良く出来たストーリーで終わらせていません。
あの時、あのキャラが何を考えていたのか、なぜあんな行動をとったのか。

そういったことが、伏線回収によって良く理解できるようになってるのは素晴らしいと思いました。

各キャラにドラマがある

各キャラクターのエピソードは、非常にレベルが高いです。

本筋である時間軸のズレにより起こった綾人とヒロインの関係性はもちろん、
サブキャラクターの背景もしっかり作り込まれていて、各々にドラマが有りました。

「ブルーフレンド」は本作が嫌いな人も評価しているのだとか。

代表格として、ショッキングな内容の「ブルーフレンド」というエピソードがありますが、それ以外の話も見劣りしないものだったと思います。

全体的に音楽が高水準

坂本真綾さんが歌うOPの「へミソフィア」は、曲と映像のどちらも素晴らしく、歴代TVアニメの主題歌の中でも特にお気に入りです。
坂本真綾さんはヒロインの声優さんでもあり、そういう統一感も良かったかなと思います。

ちなみに、EDの方は綾人の母親である神名麻弥役の方が歌っています。
演技も独特でしたが、曲も独特でした。

音をテーマにした作品だけあって作中BGMも雰囲気になったものが多く、レベルが高かったです。

クセのないキャラデザ

この作品のキャラクターデザインはクセが少ないです。

女性も可愛らしさより美しさを重視している印象。

アニメはキャラクターデザインで抵抗感を持たれてしまうことも多いですが、
本作に関しては、キャラデザで敬遠されるということは無いのではないかと思います。

「キャラデザが万人向けのアニメは?」と質問されたとしたら、私は本作の名前を出すかもしれません。

雰囲気が良い

雰囲気へのこだわりは凄く感じられた。

作画やキャラデザ、色彩、そして音楽が一つの作品として調和していて、
芸術性を感じる雰囲気を生み出しています。

作画のレベルも高く、すべて手書きでCGを使っていません。
それでいてよく動きます。
さすがはBONESといったところ。


【悪い点】

伏線回収が遅く、難解

最後まで見れば伏線は回収されるものの、
終盤にまとめて回収される構成なので、取っ付きづらさはあると思います。
視聴者に優しい構成ではないですね。

考察するのが面白いとも捉えられるけど・・・。

また、説明はされているものの明確ではないといいますか。
はっきりと「こういうことだ!」と明言されていない部分も多いので、モヤモヤ感は残るかもしれません。
私自身、完全に理解できたという自信は無いです。

こうした点は人を選ぶと思います。

結末

私個人としては、ああいう結末はありだと思います。
綾人とヒロインの恋愛をメインとして考えていましたから。

最終話付近だと、サブキャラはほぼ出番なし。

ですが、サブキャラクターの掘り下げもしっかりやっていた分、
本作の結末には不満を感じる人も多いのではないかと思います。
皆一気に死んじゃいますからねー。

地味さ

各要素が調和していて、芸術性の高さは感じられるものの、
その分各要素のインパクトは弱いです。

例えば、作画は綺麗で高水準ですが、
戦闘シーンはふわっとした空中戦が多く派手さにかけます。

敵であるドーレムは基本的に空を飛んでいて、複雑な動きをしない。

浮遊感と静謐さを感じさせる戦闘は雰囲気との統一感がありますが、
見応えという点ではイマイチと言わざるを得ません。

キャラクターもストーリーの為のキャラという感じで、
話を楽しむ為にはむしろ良かったと思いますが、キャラ単体としての主張は弱め。

幻想的、神秘的、そんな言葉で表現できる本作の統一感は見事だと思いますが、一方で淡いといいますか、シンプルな面白さに欠ける部分があると思います。

エヴァっぽさ

一時期多かった、「新世紀エヴァンゲリオン」の影響を強く受けている作品です。
俗に言うセカイ系というやつですね。

ロボットのデザインは、ライディーンにインスパイアされたらしい。

謎めいた組織が出てくる点や、ストーリーが難解であるという点くらいしかエヴァとの共通点は無いものの、そういうことに敏感な人には向かないアニメだと思います。

何度見ても楽しめる作品かというと?

伏線がしっかり回収されること自体は素晴らしいのですが、
設定や仕掛けが面白さに繋がっているため、
一度答えを知ってしまうと、再視聴の際に面白みに欠けるのが残念。

戦闘シーンは地味ですし、キャラが魅力的というわけでもないので。

戦闘シーンが迫力不足なことと、
キャラクターに分かりやすい魅力がないのも、その事に拍車をかけています。

ただ、一度の視聴でしっかり理解できる作品なのかというと・・・。
個人的には小説版での補完がオススメです。


【総評】


各キャラクターのドラマや、統一感のある雰囲気が素晴らしい1作。

私がアニメにハマった切っ掛けの作品。
ロボ物ですが、戦闘よりラブストーリーがメインですね。

この作品を見るまでは、
エヴァや一部のガンダムくらいしか、この手のアニメは見たことがありませんでしたが、
本作を見てからは、様々なアニメを手を伸ばすようになりました。

エヴァの類似品であることは間違いありませんが、内容的には完全に別物。
恋愛を主軸にした本作のほうが、見易さという点では上だと思います。
伏線もしっかりと回収していて、投げっぱなしになっていません。

初視聴の時は、伏線回収で魅せる本作の人間ドラマに非常に惹かれ、
その圧倒的な面白さに驚愕したものです。

ただ、設定やギミックが面白さに直結してるタイプの作品なので、
何度見ても楽しめるタイプの作品では無いように思います。
各要素が地味なので、見ていて単純に楽しめるアニメでも無いですし。

思い出補正もあると思うので点数はやや控えめですが、
視聴当時の印象でいえば、全アニメ中最高の一作です。

万人向けのアニメではありませんが、
セカイ系に抵抗が無く、雰囲気に惹かれるものがあればおススメできるアニメだと思います。
作品の完成度自体は非常に高いですから。

ちなみに小説も面白いので、アニメが好きな人にはオススメです。
アニメの内容を補完している部分もあり、面白いですよ。

それと、PS2のゲームが非常に良く出来てるらしいですよね。
キャラゲーなのに、mk2で評価Aはシンプルに凄い!
機会があれば、やってみたいなと思ってます(10年以上前から思っているんですがw)。





ラーゼフォン | アニメ動画見放題 | dアニメストア
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