2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : 鬼滅の刃 無限列車編【感想・レビュー】(ネタバレ配慮)

2020年10月16日に公開された劇場版アニメ、
「鬼滅の刃 無限列車編」のレビューになります。

※未視聴の方への配慮として致命的なネタバレは避けています。
※ページの最後にネタバレを含む感想アリ。


概要



【あらすじ】

「果てなく続く無限の夢の中へー」

蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、<<無限列車>>に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上の人が行方不明になっているという。
禰豆子を連れた 炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である<<柱>>のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く<<無限列車>>の中で、鬼と立ち向かうのだった。

公式サイトより)


評価 86

【鬼滅の刃 無限列車編】
~映画だからこその完成度の高さ~


これがufotableの本気!
作画はもちろん、内容面も素晴らしい1作

本作は吾峠呼世晴さんの漫画「鬼滅の刃」の無限列車編を劇場アニメ化したものです。
原作でいうと7巻と8巻の部分にあたり、原作の分量としては1.5巻分ほどになります。

TVアニメ「鬼滅の刃」の直接的続編であるため、この作品を視聴する前にTVアニメ版(もしくは原作)を見ておく必要がありますね。

劇場版になったことでTV版でも高品質だった作画はさらにパワーアップし、音楽や演出面のクオリティも素晴らしいものでした。

そして個人的に好印象だったのは、TVアニメ版で感じた不満要素が劇場版では大分薄まっていたことです。

この記事ではそういった内容に触れながら、「鬼滅の刃 無限列車編」 という作品をレビューしていきます。




【良い点】

【演出・構成】
TV版にあった不満点がほぼ感じられない

漫画から入り、TVアニメを見て、そしてこの劇場版を見た私が思う本作の一番の美点は、TVアニメ版を見た際に不満に感じたことを、この劇場版からはほとんど感じなかったことです。

 

 

TVアニメ版を見た際に感じた不満は主に以下の2点。

①丁寧であるが故のテンポの悪さ。
②声が付いたことによるギャグ違和感。

TVアニメの「鬼滅の刃」は、原作を丁寧になぞることで原作ストーリーの魅力を余すことなく表現できており、それがufotableの美麗な作画で表現されることによって、視聴者に大きなインパクトを与えました。

しかし一方で、あまりにも丁寧にやりすぎている側面もあり、それがテンポの悪さへと繋がっていました。

原作ではさらっと済まされた部分にアニオリを挿入したことで、物語に奥行きができたものの、くどさや間延び感があった。

またギャグにしても、「鬼滅の刃」に関していえば、漫画を読むことで絵と文字から受ける印象と、声が入るアニメとでは、大分印象が異なるという考えを私は持っています。

というのも声が入ることによって、善逸や伊之助の良くも悪くも子供向けっぽいノリが強調されてしまっているため、漫画では気にならなかったギャグシーンがちょっと寒くなってしまったように思うからです。

そういった部分がキャラとしての特徴であるだけに声優さんの演技も過剰なものとなっており、漫画よりも大分癖が強くなっているなと感じてしまいました。

これらは私個人の意見ではありますが、TVアニメ版に対する否定的な見解を持っている人の多くがこうした点を指摘しているため、そのように感じた人は決して少なくはないと思います。

 

 

しかし、本作は各エピソードが独立しているTV版と違い劇場版という一つのまとまった物語になっているため、全体を通して見た時にそういった不満がほとんど残りませんでした。

特にテンポの部分に関しては、劇場版ということで良い意味で無駄がなく、TV版と違い”テンポが悪い”という印象をそもそも抱かなかったです。

一方で、ギャグに関しては正直「うーん」となるような箇所はありました。
しかしストーリーに停滞感がなくどんどん話が展開していくため、ギャグに対して寒いと感じたとしても、その後の戦闘シーンや感動シーンなどでそうした印象が打ち消されるため、見ている分にはそこまで気になりませんでしたね。

トータルで見ると、問題というようなものでは無かったかなという風に思います。

私は「鬼滅の刃」に関しては漫画>TVアニメだと思っており、その理由として主に上述のポイントがあったため、そういった部分が劇場版ではほとんど感じられなかったというのは非常に好印象でした。



【作画・演出】
圧倒的な戦闘シーン

高品質なアニメーションを作るufotableによる劇場版ということで、作画、特に戦闘シーンのクオリティは圧倒的でした。
日本のアニメで本作より戦闘描写が優れているアニメは存在しないのではないかとすら思えるレベルです。

また本作は戦闘に至るまでの過程がしっかりとしているため、戦闘シーンがしっかりとシナリオの山場として存在しているのも良かったです。

加えて、ひたすら戦闘が続くというわけでなく随所に回想などが挟まれるため、見ていて飽きが来ないというのも構成として素晴らしかったと思います。

いくら高カロリーの作画であっても途中で慣れてしまうものですが、本作は物語を楽しむシーンと戦闘を楽しむシーンのバランスが良く、最後までインパクトが持続したように感じました。

 

 

炭治郎や善逸などの戦闘描写も相変わらず非常に格好良いのですが、本作に関していえばやはり煉獄が凄かった。
どのキャラの戦闘シーンも文句なしのクオリティなわけですけど、その中でも煉獄の”別格さ”というものをしっかり映像で表現できていたと思います。



【キャラクター】
煉獄というキャラの魅力

本作の主役は主人公である炭治郎ではなく煉獄だと思うので、煉獄杏寿郎というキャラを魅力的に描けている点は非常に評価できます。

そもそも煉獄というキャラはTV版ではちらっとしか登場していないんですよね。

そのため実質新キャラに近い状態なわけですが、それを映画という決して長くはない尺の中でしっかりと掘り下げたうえで魅力的に描いているというのは素晴らしいなと感じます。

映画を見終えて一番光っていたキャラは誰かと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのは煉獄だったので。

 

 

もちろんそれは、原作漫画において煉獄というキャラが持つ元々の魅力が大部分ではあるわけですけど、戦闘シーンの格好良さや声優さんの演技、そして演出といったアニメならではの要素が彼をより魅力的に見せていたというのは間違いないと思います。



【ストーリー・演出】
感動できるストーリー

原作を読んだ人なら分かると思いますが、「鬼滅の刃」はTVアニメが終わった後からが本番であり、ストーリー的にはさらに面白くなっていきます。

そういった中でもこの「無限列車編」は人気の高いエピソードだったわけですが、今回の劇場版ではその魅力を120%表現できていたように思います。

 

 

まず構成的な話で言うと、劇場版という限られた尺で映像化するにあたって、「無限列車編」のボリュームはちょうど良いものでした。
そのため特にカットなどもなく丁寧にアニメ化されており、この点がまずGood。

同じufotableでも、例えば「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」は尺に収めるために原作からバッサリと内容を削られています。

そして、その物語を盛り上げる演出やBGMの力もかなりのものでした。

「空の境界」の頃からそうですが、ufotableは暗い雰囲気作り出すのがとても上手いです。
夜の列車の中で鬼と戦うというどこかホラーテイストな雰囲気を、上手く表現できていたと思います。

 

 

また、魘夢に対して炭治郎が怒るシーン等、重要なシーンでは声優さんの演技も輝いていました。

こうした要素が合わさったことによって、元々優れている原作のエピソードをさらに優れたものへと昇華できていたように思います。
少なくとも私に関していえば、原作を読んだ時は面白いとは思ったものの感動はしませんでしたが、この劇場版には感動しましたし、恥ずかしながら泣きそうになりましたので。




【気になった点】

【演出】
感動の押し付けと感じる人もいるかも?

続いて、気になった点について述べていきます。
ほぼいないとは思いますが、もしTVアニメを面白いと感じた人が劇場版に良い印象を持てないことがあるとしたら、それは劇場版が泣ける映画である点かなと思います。

TV版にそういったシーンが無かったとは言いませんが、TV版が「泣けるアニメ」にカテゴライズされるかと言えば、それはないと思います。

しかし無限列車編のストーリーは大分そちら寄りなので、感想を述べるとなると、「感動」とか「泣ける」とかそういったフレーズが最初に浮かんでくるストーリーになっています。

実際、私の隣で鑑賞していた方は何度も泣いていました💦。

もちろんそれ自体は全然悪いことではないですし、お話としてもとても面白いと思うのですが、見ていて感動シーンの演出がちょっとしつこいと感じた部分もあります。

私は素直に感動出来ましたが、泣かせに来てる感はあるため、そこで冷めてしまう人は一部いるのではないかと感じました。
「泣ける作品が苦手」という人だと、ひょっとしたらTVアニメの方が良かったと思うかもしれません。



【演出】
ギャグはやはり気になる

全体的に見れば些細な問題であるものの、ちょくちょく入るギャグに関してはTV版同様微妙だったかなという印象です。

 

 

やはり善逸や伊之助関連のギャグは、アニメだと違和感があるんですよね。
くだらないギャグを声優さん達が全力で演技してるから、変に強調されてお寒い感じになってしまっているというか・・・。

ただ、本作は全体的にシリアスなストーリーであるため、ギャグのつまらなさが作品としての面白さに大きな影響を与えるかと言えばそうでもなく、あくまで「あえて欠点を指摘するなら」という程度の問題だと思います。




【総評】



原作漫画「鬼滅の刃」において元々人気の高かったエピソード「無限列車編」を、アニメ会社ufotableが圧倒的クオリティでアニメ映画化した作品。

作画のレベルがずば抜けているのはもちろんのこと、ストーリーも感動でき、キャラクター描写も優れており、演出やBGMのレベルも高いです。
原作既読の立場からしてもこれといった不満はなく、劇場版として非常に完成度の高い仕上がりになっていたように思います。

私はTV版に関してはあまり好印象を持てなかったため実はさほど期待していませんでしたが、良い意味で予想が裏切られる結果となりました。
私個人としては、TVアニメより大分評価は上になります。

私はアニメが放送される前から鬼滅を漫画で読んでいたため、世間の盛り上がりに対して若干冷めてしまった部分がありましたが、本作に関しては素直に素晴らしい作品だったと感じました。

2期への期待が大いに高まるクオリティだったと思います。




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アニメレビュー



TVアニメ「鬼滅の刃」
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劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」 公式サイト
https://kimetsu.com/anime/


ネタバレ感想

以下ネタバレを含む感想になります。
ネタバレが嫌な人は注意してください。



















猗窩座について

猗窩座の存在がネタバレとなるため、公開まで隠されていた猗窩座の声優ですが、石田彰さんであることが判明しました。

個人的にはイメージと違ったので、第一声を聞いたときは違和感が凄かったです(笑)
もうちょっと荒っぽい声の人の方がキャラ的に合っていると思うんですがねー。
漫画の感じで石田彰みたいな声をイメージした人って、どれだけいるのだろうか?

ただ次第に気にならなくなっていったので、許容できなかったというわけでもないですが。

また終盤での煉獄VS 猗窩座は圧巻。
原作では描かれなかった細かい描写まで丁寧に描かれており、とても見応えのある戦闘シーンに仕上がっていました。



冒頭に産屋敷のアニオリシーン有り

プロローグの部分に、鬼殺隊のトップである産屋敷が、亡くなった鬼殺隊の隊士達のお墓参りをするというシーンがアニオリとして劇場版で追加されました。
このシーンは最後に産屋敷が 煉獄の死について触れる部分との対比となっており、エンディングを際立だせるために効果的な働きをしていたと思います。


エピローグは全カット

「無限列車編」を描いた本作ですが、 内容的には猗窩座 との戦いまでであり、その後のエピローグは一切描かれませんでした。
それによって映画としての完成度は高くなったと思いますが、TVアニメ2期の導入が中途半端なところから始まるのではないかという懸念があります。

スタッフの方々には上手くやって欲しいところですね。