2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : 東のエデン【感想・評価】


2009年4月から、2009年6月にかけて放送されたTVアニメ、
「東のエデン」のレビューです。


【あらすじ】

「この国の“空気”に戦いを挑んだ、ひとりの男の子と、彼を見守った女の子の、たった11日間の物語。」

2010年11月22日(月)。
日本各地に、10発のミサイルが落ちた。
ひとりの犠牲者も出さなかった奇妙なテロ事件を、
人々は「迂闊な月曜日」と呼び、すぐに忘れてしまった。

それから3ヶ月。
卒業旅行でアメリカに出かけた森美 咲(もりみ・さき)は、
ホワイトハウスの前でトラブルに巻き込まれ、ひとりの日本人に窮地を救われる。
滝沢 朗(たきざわ・あきら)。
彼は記憶を失っており、一糸まとわぬ全裸の姿で、拳銃と、
82億円もの電子マネーがチャージされた携帯電話を握りしめていた……。
滝沢 朗とは何者なのか?
謎の携帯電話の正体は?
失われた、滝沢の記憶とは何だったのか?

公式サイトより)



評価 68

【良い点】

掴みが良い

100億を自由に使えるノブレス携帯を使い世界を救えという謎めいた設定と、
主人公が記憶を失っているという設定が相まって、非常に引き込まれる導入になっていました。

100憶もの電子マネーが入ったノブレス携帯とは一体何なのか。
だれが何のためにそんなことをやっているのか。
どのように日本を救うのか等々。

設定に興味をひかれるポイントが多数あり、先の展開への興味をそそられます。
序盤部分の掴みは凄く良かったと思いました。

メッセージが高い

本作の監督は攻殻機動隊S.A.Cを手掛けた、神山健治監督です。
監督の作風なのか、S.A.C同様本作も現代社会に焦点を当てたメッセージ性の高い社会派アニメとなっています。

ニートや雇用問題など日本の若者に焦点を当てた内容となっているので、本作の方が若者には響く部分があるかもしれません。

スタッフの良さが調和している。


現代社会にフォーカスした社会派アニメという側面と、
羽海野チカさんのキャラデザが持つ少女漫画らしさが上手く調和していて、
真面目な内容でありながら程よく緩く、取っつきやすさがあったように思います。

お堅いアニメになっていないのは評価できるポイントだと感じました。

作画

突き出たインパクトはないですが、
実績のあるプロダクションI.Gなので、綺麗で安定してます。


【悪い点】

中途半端な結末

様々な謎が放置されたまま完結を迎えるという劇場版の存在を前提としたような結末なので、ひとつの作品としてどうなのかと疑問を感じました。

現代の日本社会において実際に起こっている問題をテーマに据えたのはとても興味深かったですが、1クールではそれを描き切ることが出来なかった印象です。

盛り上がりに欠ける終盤

9話あたりまでは特に違和感なく進みますが、
その時点では、1クールで終わる気が全くしませんでした。

案の定、10話と最終回である11話は駆け足かつ強引で、
盛り上がることなくあっさり終わってしまい、非常に残念です。
前述の通り、消化不良でモヤモヤ感も残ります。

まとめられずに続きは劇場版でとなるくらいなら、
最初から2クールでじっくり描いて欲しかったなと思いました。

ただ、本作に限らず神山健治アニメは終盤が盛り上がらない作品が多いように思うので、監督の癖みたいなものなのかもしれません。

キャラ描写不足

東のエデンの面々は別に問題はなかったと思いますが、
セレソンの方々はさすがに描写が不足しすぎだったように思います。

主張だけして、その主張の背景がしっかり描かれないというのはいかがなものかと。
加えて掘り下げも不十分なので、キャラクターとしてかなり薄っぺらいです。

1クールという尺の関係上仕方のない部分もあると思いますが、
可能であれば、もう少しセレソンたちの主張に共感できるようにすべきだった気がします。


【総評】


攻殻機動隊S.A.Cの神山健治監督が作ったオリジナルアニメということで、
本作も現代社会をテーマにした社会派アニメとなっています。

ただ、キャラデザが「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」の羽海野チカということもありさほど堅苦しさは感じず、
両者の良さが上手く調和していた作品だったと感じました。

同じく、神山健治とI.Gが製作した「精霊の守り人」なんかは真面目一辺倒だったので、
あちらと比較すると、程よい緩さがある本作の方が見やすいと感じる人も多いかもしれません。

設定が非常に凝っていて序盤における期待値はかなり高かったですが、
様々な設定を盛り込んでいる分、1クールでは描けない部分が多かったように思いました。

内容としては興味深いものでしたが、全体的に描写不足で薄味気味です。
2クールだったなら・・・とちょっと残念な印象のある作品です。

とはいえ、面白いことは面白かったです。
完成度が高いとはお世辞にも言えませんが、エンタメ作品としては楽しめるものだったと思います。

設定に惹かれるものがあれば、見る価値はあるのではないでしょうか。

ただ話がしっかりと完結しないので、
視聴するのであればその点は覚悟しておいた方がいいと思います。


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Production I.G|東のエデン
https://www.production-ig.co.jp/works/juiz/