2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : 機動新世紀ガンダムX【感想・評価】

1996年4月から、1996年12月にかけて放送されたTVアニメ、
「機動新世紀ガンダムX」のレビューです。


【あらすじ】

「月は出ているか?」

ひとつのスペース・コロニーの独立戦争に端を発した戦争が、地球と・スペースコロニーの全面戦争となった。
戦いは泥沼となり、人類の全ての故郷である地球は致命的なダメージを受け、
百億を誇った人口のほとんどは失われた。
それから戦後15年、地球環境はようやく安定期に入った。

主人公ガロード・ランは戦災孤児だが、モビルスーツについては一級の知識と技量を持つ少年だ。
謎の紳士から少女ティファの救出を依頼されたガロードは、
彼女を連れ去ったという陸上戦艦‘フリーデン’に忍び込む。
無事にティファを連れ出したガロードは、
謎の紳士の元へ行くが、ティファは紳士を見て怯えてしまう。
事情を察したガロードは、ティファを連れて逃走、
ティファの不思議な力に導かれ、旧連邦の工場跡でMS“ガンダムX”を発見するのだった……。

公式サイトより)



評価 80

【良い点】

ボーイミーツガールとしての出来栄え

このアニメの一番の長所は、
ガロードとティファの恋愛模様を非常に丁寧に描いている所だと思います。

当初ガロードにとってティファは、連れ戻すことを依頼されたターゲットだった。

二人の関係性に関しては、
当初の段階だと、ガロードが一方的にティファを追いかけるという構図でした。

しかし、ティファを想うガロードに、ティファも少しずつ惹かれていき、
後半になってくると、ティファがガロードを追いかけるという構図に変わるのは、見ていて微笑ましかったです。

この二人の恋愛模様に関しては、丁寧な描写の積み重ねによって、
非常にレベルが高いものに仕上がっています。

また、そうしたお互いを想い合う気持ちや、様々な出来事を経験したことで、
二人とも作中で、しっかりと成長していくというのも素晴らしい。

多くを経験し、何よりもティファが最優先だった幼いガロードの考え方は、どんどん変わっていきますが、それでも最終的にティファが一番だったのも良いです。

最初は全然喋らなかったティファが、自分の殻を破り、少しずつ喋るようになっていくのも良いです。

最終的には、とても魅力的になった二人。

数多く存在するアニメの中でも、
作中で大きく成長したキャラの代表格として挙げられます

第一印象は二人ともあまり良くはありませんでしたが、
最終的には、二人ともとても魅力的なキャラになったと思います。

キャラのためにストーリーがあるのではなく、
ストーリーのために、キャラが存在するというのを強く感じました。
こういう魅せ方は、非常に好みです。

味方サイドの人間関係が丁寧に描写されている

主役二人だけでなく、その他の脇役もしっかり掘り下げられていて、
それらのキャラが織りなすヒューマンドラマも、見応えがあり良かったです。

彼らが生きる世界は過酷な環境ではあるのですが、そうした環境の中でも変わらない人の温もりというものを感じさせてくれました。

フリーデンのメンバーは、皆魅力的だったと思う。

また、なんだかんだ皆良い人なので、
主人公サイドの人間関係は凄く良くて、安心感がありました。

主人公にとって都合の良いキャラという、分かりやすい良い人ではなく、
癖はあるけど、本質的には良い人というのを、作中でしっかり表現できていたのは好印象です。

主題歌が良い

OPの「DREAMS」と「Resolution」。
EDの「HUMAN TOUCH」と「銀色Horizon」。
どれも良い曲です。

主題歌が全て良かったというのは、個人的に中々珍しい体験でした。


【悪い点】

とにかく地味

メインキャラが織りなすドラマのレベルが高いことが本作の魅力ですが、
一方で、ストーリーの内容が内輪話に偏っていて、
話の広がりや奥深さを、あまり感じられないという欠点にもなっています。

盛り上がらなかったというわけではないですが・・・。

荒廃した地球に生きる人々を描く、ということに重きを置いた結果、
ストーリーが壮大さに欠けてしまったように思います。

また、戦闘は迫力に欠け、あまり爽快感がありません。

そもそもとして、本作の戦闘は小競り合いのようなものがほとんどで、
大艦隊との大規模な戦闘や、多数のMSを相手に主人公が圧倒的な強さを見せるというようなシーンが、ほぼありません。

ロボアニメは戦闘が楽しめてこそ、という考えの方だと、
単調で退屈と感じてしまうと思います。

Xの量産機は、全く印象に残っていない。

また、主要な機体は悪くないと思いますが、
量産機のデザインは、微妙なものが多かった印象です。

以上のように全体的に地味であることは否めず、
放送当時人気が無かったことも、頷ける部分はあります。

終盤の駆け足

視聴率の低さから打ち切りになったという背景があり、
本来4クールでやる予定だったストーリーを、39話でまとめたようです。
その結果、終盤はかなりハイペースで展開します。

予定通り放送されていたらどうなったのかは分かりませんが、
最終決戦はあまり盛り上がりを感じられなかったです。
ストーリーの質は高かっただけに、非常にもったいないと思います。

フロスト兄弟

個人的な復讐のために戦っているうえ、
作中で圧倒的な強さを見せてくれたわけでもないので、
どことなく小物っぽく見えます。

キャラとしてのポジションを考えると、足りない部分が多いフロスト兄弟。

そういうキャラが最初のライバルキャラとして出てくるのなら、何の問題もないと思うのですが、
最終的に彼ら以上の強敵が出てこなかったというのは、ちょっとどうなのか。

そういうポジションに置くキャラとしては、
強さやカリスマ性など、色々な点で弱かったように思います。

ガロードの声

はっきり言って、最初は凄い違和感がありました。
声で視聴を止めてしまう人がいても、不思議ではない気がします。

特にXの前のガンダムは、あのWなわけですから、
Wのヒイロと比較して、残念に思ったWのファンは当時沢山いたと思います。

なぜか“おじさんボイス”なガロード。

見ていると慣れてきますが、
主人公の声優にああいった声の人を採用した判断には、
内容的にも商業的にも、疑問を感じざるを得ません。


【総評】


ヒューマンドラマとしての出来栄えは、ガンダムシリーズNo.1。

放送当時、視聴率が取れずに打ち切りとなったという事実がありますし、
世間的な評判としては、今一つな作品であることは理解しています。

地味であること、さらにNTに触れていることなどから、
好みが分かれることは間違いのない作品です。

ですが、私個人の意見としては名作であり、
ガンダムシーリーズの中でも、1、2位を争うくらい好きな作品です。

このガンダムXに関しては、ガンダムとして見るか、一つのアニメとして見るかで、評価は変わってくると思います。

正直なところ、ガンダム、もしくはロボ物として見た場合、
全体的に地味で、ガンダムによる戦闘も単調なので、褒められた物ではないと思います。
世界観もこじんまりとしていて、壮大さにも欠けます。

また、前作がガンダムWがヒットしたことで、
その影響を受けていることがキャラの雰囲気などから伝わりますが、
そういう路線の作品としての魅力は、Wと比較すると大きく劣ります。

ただ、荒廃した地球を舞台に、そこに生きる人々のヒューマンドラマを描いた作品として見れば、秀逸なアニメです。

ガロードとティファの恋愛模様はもちろん、それ以外のメインキャラの掘り下げも非常に丁寧に行われていて、見応えがあります。

似たアニメを挙げるとすれば、「交響詩篇エウレカセブン」でしょうか。

時代が違うので作画の質は下がりますが、エウレカセブンを面白いと感じた人なら、ガンダムXを面白いと感じる可能性は高いと思います。

ガンダムファンがガンダムに望むのは、ガンダムらしさなんでしょうけど(ガンダムらしさがどういうものなのかは良く分かりませんが)、
私はガンダムファンではないので、非常に楽しむことができました。

人間関係に比重を置いたアニメが好みな人にはおススメしたい1作。
とりあえず、ヒロインはガンダムシリーズで一番可愛いです。



『機動新世紀ガンダムX』公式サイト
http://www.gundam-x.net/