2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : 機動戦士ガンダムSEED【感想・評価】

2002年10月から2003年9月にかけて放送されたTVアニメ、
「機動戦士ガンダムSEED」のレビューです。


【あらすじ】

「21世紀のファーストガンダム」

核兵器を使った世界大戦が終結し、宇宙時代の幕開けとなったコズミック・イラ(C.E.)。
科学が飛躍的に発達する一方で、遺伝子操作が施された人類「コーディネイター」と、遺伝子操作を受けていない人類「ナチュラル」との対立が激化。
コーディネイターはコロニー群「プラント」を、ナチュラルは地球を拠点とし、両者間の緊張状態が続いていた。
C.E.70、プラントへの核攻撃「血のバレンタイン」事件を機に、プラントの軍事組織ザフトと地球連合軍は本格的な戦争に突入する。
戦線が膠着する中、中立国であるオーブ連合首長国の資源衛星・ヘリオポリスをザフトが急襲し、工業カレッジに通う学生キラ・ヤマトは戦闘に巻き込まれてしまう。
避難しようとする彼の目に飛び込んだのは、地球軍が開発したMS(モビルスーツ)と、ザフトの戦闘服に身を包んだ幼馴染、アスラン・ザラの姿であった。アスランとの再会に動揺するキラ。
だが、キラは仲間を助けるため、コーディネイターでありながら連合製MS・ストライクガンダムに搭乗する――。

GUNDAM.INFOより)



評価 68

【良い点】

分かりやすく、共感しやすい設定

非常に高い人気を得たこのガンダムSEEDですが、
その理由のひとつとして、分かりやすさが挙げられると思います。

戦争になったことで、かつての親友と敵同士になり戦うことになるという展開は、多くの人が感情移入できるものだと思います。
第1話でその部分をしっかりと伝えられているので、掴みも良かったです。

そして、通常の人間であるナチュラルと、遺伝子操作されたコーディネーターの対立という部分に関しても、シンプルで分かりやすいと思います。

遺伝子操作とかいうと難しそうに感じますが、
要するに優れた人間に対する劣等感と、劣った人間に対する蔑みが根底にある対立なので、
対立構造が理解しやすいです。

小難しい社会構造や経済問題、思想などがあまり絡んで来ないので、
誰が見てもすんなり理解できる内容となっていて、取っつきやすいと思います。

キャラクターが個性的

味方サイド、敵サイド共に、個性的なキャラが多かったです。
各キャラが作中でしっかり掘り下げられたかというと、そうでもなかったりしますが、印象に残るキャラ付けが上手く出来ていたと思います。

オラァー、滅殺!

特に、後半から登場する強化人間トリオは、
途中からの参戦したキャラにもかかわらず、中々良い味を出していました。

主題歌のレベルが高い

どの曲も質が高かったです。
また、歌詞が作品の内容を意識したものになっている点も良かったと思います。

個人的に一番好きなのは四期のOPです。

MSが格好良い

多くのガンダムが登場しますが、
どのデザインもクオリティが高かったと思います。

アニメで動くと格好良いという観点で言えば、
フリーダムより格好良いガンダムを見たことが無いかもしれません。

デザインで言えば、ブリッツとフォビドゥンが好きです。

また、宇宙世紀の量産機を真似ている印象はあるものの、
ザフトの量産機のデザインも結構好きでした。

演出のレベルが高い

場面場面を盛り上げる演出のレベルは、中々高かったように思います。
フリーダムの登場シーンは熱くなれました。

また主題歌同様、挿入歌のレベルも高いので、
名シーンを盛り上げる演出として効果的だったと思います。


【悪い点】

底の浅いストーリー

遺伝子操作という現代的な問題をテーマに据えた作品ですが、
そうした技術によって生まれた対立に対する解決案を、これといって示せていません。

戦いの結末も、両軍の戦力が疲弊したことにによる決着という至極単純なもので、50話かけて、根本的な問題は結局のところ何も解決されていないという状態です。
これはさすがに、お粗末なように感じました。

また、主人公であるキラはコーディネーターでありながら、
友達を守るためにナチュラル側に身を置き、戦うことになります。
設定としては、中立の立場から物事を考えられる唯一の兵士という立ち位置です。

この設定だけを見ると奥深さがある印象を受けますが、
実際に描かれる話の中で、そうした設定はほとんど活きていません。

また、最終的にキラ達を、暴走する両陣営を止める第三勢力という、
明確な善の集団として描いているのも、ちょっと気になる所です。

これにより、単純な正義と悪の戦いになってしまったため、
爽快感はあるかもしれませんが、見ていて伝わってくることがこれといってありませんでした。

問題提起をしておきながら、実際は表面的な部分しか描けていない、
底の浅いストーリーだったように感じてしまいました。

感情で動くキャラクター

かつての親友と敵対することになるという展開は分かりやすいですが、
敵同士になってしまった後も、キラはアスランと戦う事を嫌がりますし、アスランもキラを仲間にしようと強引な手段をとります。

彼らに感情移入できれば問題は無いと思いますが、
煮え切らない態度にイライラするという人も当然いると思います。

いい加減な人間ドラマ

途中まではキャラクター同士のドラマを重視しているような印象がありましたが、後半になるにつれてどんどん雑になってしまった印象があります。

特に恋愛模様に関しては、誰と誰が結ばれるという結論ありきで進んでいる感じで、過程がいい加減だったように思います。

良かったのは、ラミアス艦長とムウの関係性くらいでしょうか。

それと、悪い点というわけではないですが、
フレイの存在はアニメでは結構異質でした。

フレイはSEEDファンよりも、そうでない人から支持されそうなキャラ。

体で主人公を懐柔するヒロインというのは中々いないため、
個性的と評価できる一方で、嫌悪感を抱く人もいると思います。

ファーストガンダムのオマージュ

展開が似通ってます。

コンセプトそのものの否定になりますが、
SEEDという作品の完成度も相まって、初代が好きだった人は好感を持てないかもしれません。


【総評】


一大ムーブメントを引き起こした、21世紀のファーストガンダム。
高い人気を得た一方で、旧来のファンからの批判も多かった作品です。

この作品の良さとして、内容の分かりやすさが挙げられます。

小難しいテーマを扱っているガンダムも多い中で、シンプルなストーリーである本作は、アニメにあまり触れたことがない人でも楽しめる単純明快な内容だったと思います。

また、当時としては作画のクオリティも高かったですし、キャラも個性的です。
加えて主題歌のレベルも高い為、人気が出たことにも納得できる部分はあります。

ただ、中身の方をしっかり見ると、粗が多く、中途半端な部分が目に付きます。
特に遺伝子操作に対する回答を、作中で何も示せていないのは、
そこをテーマとして扱った作品として、さすがに問題だと思います。

そのため接合性のとれた完成度の高いストーリーを好む人にとっては、
あまり楽しめないかもしれません。

個人的にはそこそこ楽しめたガンダムですが、
批判する人の意見も理解できる、そんな作品です。