2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : 機動戦士ガンダムOO 1st Season【感想・評価】

2007年10月から、2008年3月にかけて放送された、
「機動戦士ガンダム00 1st Season」のレビューです。

【あらすじ】

「ガンダムによる全戦争行為への武力介入を開始する」

西暦2307年。

化石燃料は枯渇したが、人類はそれに代わる新たなエネルギーを手に入れていた。
3本の巨大な軌道エレベーターと、それに伴う大規模な太陽光発電システム。
しかし、このシステムの恩恵を得られるのは、一部の大国とその同盟国だけだった。

3つの軌道エレベーターを所有する3つの超大国群。
アメリカ合衆国を中心とした『ユニオン』。
中国、ロシア、インドを中心とした『人類革新連盟』。
ヨーロッパを中心とした『AEU』。
各超大国群は己の威信と繁栄のため、大いなるゼロサム・ゲームを続ける。
そう、24世紀になっても、人類は未だ一つになりきれずにいたのだ……。

そんな終わりのない戦いの世界で、「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れる。
モビルスーツ「ガンダム」を所有する彼らの名は、ソレスタルビーイング。

ガンダムによる全戦争行為への武力介入がはじまる。

公式サイトより)

評価 83

【良い点】

主人公サイドを必要悪として描いたこと

主人公達が所属する組織であるソレスタルビーイングは、
戦争根絶を掲げ、圧倒的な性能を持つガンダムを使い、
兵器を主有しているだけでも攻撃してくる、独善的で、はた迷惑なテロ集団です。

その行動によって収まった争いもありましたが、
いくらなんでも、そんな強引なやり方で世界がまとまるわけがありません。

ですが、ソレスタルビーイングが圧倒的な性能を持つ兵器を所持しているのは確かで、実際に被害はどんどん出ていきます。

では、どうするのか。

この作品では、そんなソレスタルビーイングが行動を起こしてからの、人々の反応、国々の対応、そして最終的な結末が、リアリティのあるストーリーで描かれています。

ソレスタルビーイングの存在は、言わば必要悪であり、
展開に都合の良さを感じなかったのは、良かったと思います。

ソレスタルビーイングが自分たちの非を理解している

戦争根絶を掲げるソレスタルビーイングの方々は、
基本的に、目的のためには手段を選ばないという考えの元で行動しています。

ですが、大いなる目的のためには多少の犠牲は仕方ないといったように、
その行為を正当化することはなく、目的達成後に罪を償う覚悟だったのが好印象でした。

ただ、結局償ったのかという問題はあります。
ですが、それは続編の問題だと考えます。

世界を変えたいという想いが伝わってくる

キャラクターの背景や心情が丁寧に掘り下げられているため、
ソレスタルビーイングの人々が、本気で世界を変えたいと思っていることが、
見ている側にしっかり伝わってくるのは良かったと思います。

終盤は、そんな彼らの想いが心に響きます。

終盤の盛り上がり

途中までは、良くも悪くも堅実に話が展開していきますが、
トリニティが登場してから話が急展開し、どんどん面白くなっていったように思います。
終盤の3話、特に23話は演出が素晴らしかったです。

一般人の視点を入れたこと

ソレスタルビーイングの行為を一般の視点から傍観する、
沙慈とルイスというカップルを登場させたのは、面白い試みだったと感じました。

これにより、視聴者も様々な視点から物語を楽しむことが可能となっています。

敵キャラが魅力的

ソレスタルビーイングの面々も悪くなかったですが、それよりも、
サーシェスやグラハムといったライバルキャラが魅力的だったのが、本作の長所だと思います。

作画、音楽共に高水準

派手さに欠ける感じはあるものの、映像自体はすごく綺麗です。
また主題歌に関しても、1期ED以外は好みでした。

作中BGMも効果的で、
場面場面を盛り上げてくれたと思います。


【悪い点】

主人公とヒロインが薄味

ロックオン、ティエリアあたりは好きなのですが、
主人公である刹那は、やや影が薄いというか、キャラが弱い様に感じました。

サーシェスとの因縁設定も、途中からロックオンに取られてしまい、
シナリオ上での見せ場が、あまり無かった印象です。

そして、ヒロインであるマリナは関して、
はっきり言って、設定のミスだと感じました。

ガンダムWに似た設定の作品なこともあって、
彼女の立ち位置は、Wのヒロインであるリリーナと非常によく似ています。

ですがリリーナと違い、マリナはこれといってなにもしていません。
刹那との間になぜ絆が芽生えたのかも良く分からず、
ヒロインとしての存在意義が、かなり弱かったように思います。

今は落ちぶれた、昔は化石燃料で栄えていた国のトップというのは興味深い設定でしたが、
その設定をストーリーに、全く活かせていなかったです。

もちろん、続編で活躍するなら話は変わりますが、
逆に、今作以上に存在意義を感じられなくなってしまう結果になったため、
ちょっと話にならない印象です。

前半の大人しさ

前半の話は悪いわけではないものの、少々退屈に感じます。
武力介入によって少しずつ世界を変えていくというストーリーの都合上、
あまり劇的な展開は起きないですし、キャラクター同士のドラマも弱めです。

そのため、堅実な展開ではあったものの、
見ていて惹きつけられる要素が少ない様に思いました。

地味さ

色々と派手さが目立ったガンダムSEEDの後のガンダムという事もあってか、
放送当時は凄く地味なイメージがありました。

実際の内容としても、登場するガンダムの武装がシンプルなため、
トランザムが登場するまでは、あまり派手な戦闘シーンなどはありませんでした。

加えて、キャラクター同士のドラマなども、メインとしては扱っていないため、
視聴者が関心を抱きそうな要素が少なく、取っつきづらさがあるように思います。

続編の存在

ガンダムOOという作品は、
今作に続く2nd Seasonがあり、その後、劇場版で完結します。

ですが、2期から話の方向性が大分変わってしまうため、
1期の良さは、OOという作品全体には、当てはまらないです。

このレビューは1期のレビューではありますが、
続編前提のエンディングであった以上、
続編と完全に切り離して考えることはできません。


【総評】

1st Seasonだけなら、
個人的にはガンダムシリーズの中で1番好きな作品。

ガンダムWに似た設定と雰囲気を持つ作品ですが、
個人的には、こちらの方が好きです(Wも好きですが)。

ソレスタルビーイングのスタンスや世界観など、
アニメ全体の雰囲気が、私の好みに1番適合したガンダム作品です。

また、個人的な好みを度外視しても、
しっかりとまとまった内容でしたし、ひとつのアニメとして良い出来だと思います。

特に23話、24話あたりのエピソードは感動的で、本当に素晴らしい内容でした。
全アニメのエピソードランキングみたいなものを作ったとしても、
私の中ではトップ10には入ると思います。

ただ、この1st Seasonで好きだった部分は全て、
2nd Seasonで無に帰ってしまったのが、非常に残念です。

話の方向性が大きく変わってしまい、
当初掲げたテーマである「武力による戦争の根絶」は、完全に消滅してしまいます。

話がしっかり完結していない以上、続編の印象も評価に反映せざるを得ず、
視聴当時の印象より、若干抑えめに点数をつけました。

仮に1期視聴後にレビューを書いていたなら、
+5点くらいは点数は上がったと思います



機動戦士ガンダム00[ダブルオー]
http://www.gundam00.net/