2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : Dimension W(アニメ)【感想・評価】

2016年1月から、2016年3月にかけて放送されたTVアニメ、
「Dimension W(ディメンション ダブリュー」のレビューです。

【あらすじ】

西暦2072年。
第四の次元「W」から無限のエネルギーを取り出せる「コイル」により人類は繁栄の極致にあった。
しかしその裏では、正規外のルートから入手した「不正コイル」を使った犯罪が発生し、回収に懸賞金がかけられるようになった。
腕利きの“回収屋”マブチ・キョーマは、ある依頼の中で謎の少女ミラと出会う。
かつてコイル事故ですべてを失ったキョーマと、自分の出生の秘密を探るミラは、共に「コイル」の真実を追うことになるが……。

公式サイトより)

評価 68

【良い点】

後半の盛り上がり

途中まではあっさりしている印象で、
内容としては、あまり面白いと感じませんでしたが、
中盤以降はしっかりと盛り上がっていったように思います。

終盤は満足感が高かった。

過去の大事件の真相や、主人公の失われた記憶などが最後に繋がる展開は、
王道的な面白さがありました。

構成が上手い

原作ありきで、しかも尺の制約が大きかったことを考慮すると、
このアニメは、非常に構成が上手いです。

原作10巻を1クールでやったら、大抵ダイジェストアニメになるが・・・。。

1クールという尺の中に、単行本10巻分の内容を詰め込んだにもかかわらず、
あまり違和感がないというのは、中々凄いと思います。

原作から削られた箇所はたくさんありますが、
本筋に関係の無い部分から多くを削っているため、
メインストーリーの面白さにあまり影響が出ていません。

シーマイヤ―は悪役としてキャラが立っていた。

特にイースター島編に関しては、新しく登場する回収屋達の描写を削る一方で、
キョーマの回想や、シーマイヤーの掘り下げなんかは比較的丁寧にやっています。

そのため、原作と比べても遜色のない面白さに仕上がっていて、
原作既読の立場から見ても、満足度の高い仕上がりでした。

話がまとまっている

いくつかの謎は残るものの、
全体的なストーリーはしっかりとまとまっています。

キョーマの過去にも、しっかり区切りがついている。

今後の展開へ繋げるためのキャラなども原作では登場しますが、
そういったキャラの存在をアニメ化に際して排除しているため、
1つの作品として、まとまりがあります。

原作の途中までしかやっていないにもかかわらず中途半端さが薄く、
1クールアニメとしての完成度が高いです。

設定に魅力がある

主人公がおじさんというのは、昨今のアニメでは貴重ですし、
ヒロインであるアンドロイド「ミラ」も、キャラとして作り込まれていたと思います。

昔似たようなコンビのアニメがあったけどね。

世界観に関しても、
次元Wから得られる無限のエネルギーついて、科学的な設定がしっかりあったりと、
SF作品として、丁寧に練られていたと思います。


【悪い点】

駆け足と説明不足

1クールの中で綺麗にまとめてはいますが、
それでも、展開が早かったり、タメが足りないと感じてしまうことは多かったです。

正直、八十神湖編はあまり楽しめなかった。

本筋をしっかり描くということに注力している分、
この世界における日常の雰囲気をあまり表現できておらず、
そこは少々残念に思います。

また、スコア編のカットなどによって、世界観も若干浅くなっています。

コイルや次元Wの設定に関しても、説明不足な部分があり、
アニメだけだと、ちょっと分かりづらいように感じました。

アニメ化する際に、上手く再構築しているとは思いますが、
原作既読の立場からすると、八十神湖編までの前半部分に関しては、間違いなく原作の方が面白かったです。

キャラクター描写が足りない

1クールな時点で仕方がないですが、描写不足のキャラは多かったです。

回収屋達は、アニメでは薄味に。

中でもイースター島編から登場する回収屋の何人かは、
活躍や背景がバッサリとカットされていました。

そのため、アニメだけだと、
どういったキャラなのかが、良く分からないキャラもいたように思います。

意図が分からない演出


なぜ背景が単色なのか。

背景が単一色になる時が時々ありましたけど、意図が不明でした。

また、原作と比較すると、キョーマの表情が変化に乏しいです。
アニメだと無表情キャラという感じの描かれ方でしたが、
原作だと結構表情豊かなので、印象が大分違います。

クールキャラでいった方がウケるという判断なのかもしれませんが、
背景の件共々、作画の手間を省きたかったからなのではないかという気もします。

悪く言えば無難な内容


世界観に関しては、原作の方が丁寧に描写されている。

世界観の設定は良く練られているものの、
斬新さはあまりないですし、展開も王道なので、
安定感はありますが、インパクトに欠ける部分はあったかなと思います。

特に、世界観の掘り下げに関しては尺の関係で不足しているので、
原作と比較すると、SFとして薄味になっている印象があります。

あと、キョーマに関しては、
もう少しキャラとしての個性が欲しかったです。

OPのダンス

完全に好みの話になりますが、
個人的に、OP映像のキョーマのダンスには好感を持てませんでした。

作画がいいので評価している人は多いと思いますが、
キャラのイメージに合っているとは言い難いです。

そのため、とりあえず躍らせとけばいいという、
安易な発想に見えてしまいます。


【総評】


尺が厳しいにもかかわらず完成度が高い、稀有なアニメ。

岩原裕二による同名漫画をアニメ化した作品。
原作既読。

正直なところ、最初はあまり期待していませんでした。
原作10巻までを1クールに詰め込むとなると、
大幅にカットする必要があり、かなり薄くなることが予測できたからです。

実際、5話までは明らかに駆け足で、タメが足りず、
予想通り微妙な内容だったように思います。

しかし中盤以降、イースター島編に入ってからは、
次第にそういった印象は薄れていき、
視聴後の印象としては、原作とそう変わらないレベルの面白さを感じました。

イースター島編も、当然カットはされています。

ただ、サブキャラの活躍がバッサリカットされている一方で、本筋は丁寧にやってくれたので、メインストーリーの面白さに、ほとんど影響が出ていないように感じました。

そのあたりの構成は、とても上手かったです。

加えて、原作が元々アニメっぽいためアニメ映えすることや、
イースター島編で話に一区切りつくために、アニメとしてまとまった内容となっている点も、本作の魅力に繋がっていたと思います。

仮に2クールだったら、原作より面白かったかもしれません。

色々とカットされているのは確かなので、原作ファンの方は不満に思うかもしれませんが、1クールに収めなければならないと考えると、削る部分の選択としてはほぼベストだったと思います。

原作から入ってアニメを見た場合、
尺に余裕が無いと、大抵の場合面白いと感じませんが、
この作品は珍しく面白いと感じられました。

原作の魅力をしっかり表現できていると思うので、
SFが好きなら見る価値はあると思います。

ちなみに、原作も今年(2019年)完結したので、
アニメが好きだった方は、手を出してみてもいいのではないでしょうか。



Dimension W|ディメンション ダブリュー
http://dimension-w.net/