2019年11月15日ブログオープン!

レビュー:DEVILMAN crybaby【感想・評価】

2018年1月より配信が開始されたNetflixオリジナルアニメ、
「DEVILMAN crybaby」のレビューです。

概要


【あらすじ】

「本当の悪魔を、まだ誰も知らない―」

泣き虫の高校生・不動明は、幼なじみの飛鳥了と再会し、
危険なパーティに誘われた。

そこで明は見る。悪魔に変わっていく人々を。

そしてまた明自身も……。

公式サイトより)


評価 71

DEVILMAN crybaby
~衝撃の問題作が現代によみがえる~

これが湯浅風デビルマン。
往年の名作が堂々リメイク!

永井豪の名作「デビルマン」を湯浅政明監督がリメイクした作品。
原作が非常に古い作品という事もあって、数多くのアレンジが加えられています。

Netflixオリジナルアニメということもあり、しっかりと作り込まれているので完成度は高いです。
ただ湯浅監督の色がしっかりと反映されているため、若干賛否を呼びそうな箇所もありました。

この記事ではそういった点に触れながら、DEVILMAN crybabyという作品をレビューしていきます。



【良い点】

【ストーリー・演出・構成】
容赦の無いシナリオ

デビルマンのリメイクである本作ですが、基本的な話の流れは原作と一緒で、容赦のない衝撃的な展開を見せるストーリーになっています。


リメイク版の独自性としては、サブタイトルにcrybabyとあるように泣くという行為に意味を持たせている点。
ここに関しては、不動明の泣き虫という設定を上手く昇華しているなと感じました。

また、明と美樹が陸上部になるという改変が加えられており、明からのバトンが了に繋がらない陸上部ならではの演出は秀逸でした。

原作では打ち切り感があった最終決戦も、本作ではしっかりと描かれており、
ラストはとても綺麗な終わり方だったと思います。


【キャラクター・構成】
現代風へのアレンジ

原作が約50年前の漫画ということもあり、
再アニメ化するにあたり、設定に大きなアレンジが加えられています。

その最たるものが、不良→ラッパーですね。
これに関して嫌な人も多いでしょうけど、個人的には好印象でした。
ラップも悪くなかったと思いますし(笑)。

彼らが終盤でとった行動が様々であったのも、興味深かったです。
味方でいてくれるのも、裏切るのも、どちらも人間らしいと感じました。

こういった人間の多様性という部分に着目した改変は、
ラッパーのメンバーだけでなく本作の随所に見受けられましたが、悪くない改変だったと思います。


また、別キャラと化したミーコやオリキャラである幸田なんかも、各々いい味を出していて好印象でした。

【キャラクター・構成】
飛鳥了というキャラの描き方


このcrybabyという作品は、全体的に見ると飛鳥了の物語という感じの構成になっています。
飛鳥了というキャラクターが原作以上にしっかりと掘り下げられており、この点に関しては素直に良かったですね。

ラストシーンは感動的で、心に響きました。


【音楽・演出】
デビルマンの歌の使い方

本作では旧アニメ版の主題歌である「デビルマンの歌」が挿入歌として使われているんですが、その使い方が中々上手かったです。
「そう使うのか」と感心しました。

また、音楽に関しては基本的にクオリティが高かったですね。
EDの曲なんかは、格好良くて好きでした。



気になった点

【作画・演出】
絵柄と内容のアンマッチ

ネット配信限定のアニメなので、 TVアニメでは流せないような描写が盛りだくさんです。
バイオレンスとセクシャルに溢れています。

それ自体はデビルマンという作品が持つ個性ですし、私としてもそういった作風は嫌いではないのですが、湯浅監督の絵柄には合っていないなと感じました。


特にセクシャルな描写に関しては、正直に言えば、ただただ気持ち悪かったです(笑)。
性的な描写がここまで気持ち悪い作品も珍しいと思います。


【ストーリー・演出・構成】
原作の魅力を損なうアレンジ

本作は原作から改変された部分が多くあります。
それらは致命的に駄目と感じるような改悪ではないものの、
原作の方が良かったと感じる部分はありました。


一つは、デビルマンという作品を象徴するシーンである牧村家の惨劇
ここに関しては原作の方が好みです。

crybabyは惨劇に至るまでの過程に多くのものを詰め込んでいるため、シナリオとしてのメッセージ性は高いんですが、その分”くどさ”があり、原作にあった勢いと衝撃が薄れてしまったように感じました。

もう一つが、9話の「人間が人間を殺すのか!」のところ。
人間の善性を描いたシーンでしたが、ああいうのはありがちですし、その後の展開を考えると、あえてアニオリで追加する必要があったのか疑問を感じます。

デビルマンを最後まで人間の味方として描くために必要だったんでしょうけど、その改変がそもそもあまり好みではないんですよね~。
人間の悪性を前面に押し出したストーリーも、デビルマンの魅力だったと思うので。


あとシレーヌとカイムに関しては、掘り下げるならもう少し掘り下げて欲しかったところ。
前10話という制約もあるんでしょうけど、掘り下げられた分、逆に中途半端な印象を持ってしまいました。


【総評】


湯浅監督による現代版デビルマン。

私はデビルマンに関しては、実写映画(公開当時)→本作→原作という順番で見ました。

50年前の作品ということもあって様々なアレンジが加えられており、原作ファンには賛否がありそうなアニメだと感じます。

ただ、デビルマンは以前公開された実写版映画が歴史に名を刻むレベルで酷評されているため、本作に対するハードルは決して高くはなかったのではないでしょうか。

そのせいか「それはどうなの?」と感じるような改変が所々あるにも関わらず、評価は高い印象があります。

私としても基本的には面白かったと思います。
ただ、色々と中途半端なようにも感じました。

特に気になったのが、人間の悪魔感が薄れているという点。

デビルマンという作品の魅力は、話が進むにつれて、「人間は守る価値があるのか、人間こそ悪魔ではないか」となる部分だと思うんですよね。
実際、私は実写映画を見た際にそういったストーリーに衝撃を受けましたから。

ですが、この crybabyではそこがマイルドになっています。

なので、個人的には上で指摘した9話のシーンは不要だと思ってますし、
牧村夫妻とたろちゃんについても、原作の展開のままで良かったと思います。

人間を多面的に描くこと自体は全然悪くないと思いますが、一方で原作の持つジェットコースターのような圧倒的力強さが薄れてしまった印象です。

改変や補完によって、原作から良くなった部分もたくさんあるのは間違いないですけど、原作の持つ魅力を損なう結果になってしまった部分もあるように個人的には感じましたね。

とはいえ完成度は高いですし、総合的に見れば良いリメイクだったと思います。
ラストシーンに関しては、素晴らしいと感じましたしね。

初見であれば間違いなく衝撃を受けるストーリーであることに違いはないですし、インパクトのあるアニメが好きな人には、おススメできる1作です。






アニメレビュー 一覧へ












DEVILMAN crybaby | 公式サイト


>あふさの館

あふさの館

独断的アニメレビューとゲームレビューのブログ