2019年11月15日ブログオープン!

レビュー : 十二国記【感想・評価】

2002年4月から、2003年8月にかけて放送されたTVアニメ、
「十二国記」のレビューです。


【あらすじ】

「あなただ、・・・お探し申し上げました」

中嶋陽子は、典型的な優等生タイプの高校生。
しかし、クラスではいつも不思議な疎外感にさいなまれ、また家庭にも居場所がないと感じていた。
不安な毎日を過ごす陽子の前に、ある日突然金色の髪を持つ「ケイキ」と名のる青年が現れ、
「あなたを探していた」と告げる。
そして謎の怪物、妖魔が現れ学校に襲いかかる―。

公式サイトより)


評価 84

【良い点】

練られた世界観

「天啓によって麒麟が国の中から王を選び、選ばれたものは永遠の命を得て、王となり国を治め、麒麟がそれを補佐する。」

これが作品としての基本になりますが、それ以外にも十二国記には独特な設定が数多く存在します。
他にない魅力的な世界観なので、非常に面白みがありました。

そして、そうした設定を上手くストーリーへと落とし込めていて、設定が独り歩きしていない点も素晴らしかったです。

陽子関連のストーリー

主人公である中島嶋陽子が主役の「月の影 影の海」と「風の万里 黎明の空」は、とても良かったと思います。


始まりの物語である「月の影 影の海」において、主人公である陽子は半強制的に異世界に連れていかれます。
そして、そこで多くの凄惨な経験と苦悩を重ね段々と堕ちていく序盤の展開は、この手の作品として中々衝撃的かつ新鮮味があり引き込まれるものがありました。

そして、そんな陽子が楽俊と出会い自分の答えを見つけ出したシーンは、作品を象徴する名シーンだったと思います。


「風の万里 黎明の空」でも鈴と祥瓊の存在により重い展開が続きますが、その積み重ねが終盤にしっかり活かされていて、とても心に響くストーリーに仕上がっていたと思います。

彼女たちの成長もスッキリ感があって良かったですし、陽子の初勅を宣言する場面は素晴らしいの一言。
それぞれが答えを見つけていく過程の心理描写も、非常に上手かったです。

また、十二国記はキャラの成長を通して「人としてどうあるべきか」というような哲学的要素を感じ取れる作品でもあり、そのことが話に奥深さを与えていたと思います。

キャラクターが魅力的

十二国記の登場人物は作品を通してしっかりと掘り下げられて成長していくので、皆魅力的なキャラに仕上がっていたと思います。

中でも陽子は格好良かったですし、景麒や楽俊、それから祥瓊も好きでした。

アニオリ要素


蒼猿の姿は原作と違いますけど、そこの演出は原作より好みでしたし、実際原作より優れていたと思います。

また、アニオリで出番が大幅に増えた杉本関連もも悪くはなかったと思います。
特に、彼女絡みで塙王と塙麟の出番が増えたのは良かったと思う。
原作だとあまり出てこないので。


【気になった点】

戴国と雁国のストーリー

十二国記の原作小説は全ての巻で世界観こそ共通していますが、
それぞれの巻で登場人物はもちろん、舞台となる国や時系列も異なります。

そのためアニメにするには難しい部分もあるわけですが、
十二国記はアニメ化に際して、一貫して陽子を主人公として描くという手法を取っています。

そのやり方自体は悪いとは思いませんが、結果として慶国以外を舞台にしたエピソードの存在意義があまり感じられなくなっているのは間違いないと思います。


特に戴国の話は、陽子が主役である慶国のエピソードの間に挟まれているうえに陽子と泰麒に接点が無いため、決してつまらなくはないものの、アニメだけで考えれば必要性は感じられませんでした。

しかも、戴国の話は完全に途中で終わっていますし・・・。

雁国の話にしても、しっかり盛り上がった「風の万里 黎明の空」の後にやってそれで最終回というのは、正直蛇足感があります。


アニオリ要素


とりあえず、浅野は必要なかったような・・・。
最期を考えても、なんのために出したのか良く分からないキャラでしたね。

杉本に関しては良い点で挙げたように悪くはないんですが、
アニメ視聴後に原作を読んでみての感覚からすると、いない方が良かったように感じました。

原作通りだと暗すぎるという判断だったのかもしれませんが、どちらも好きになれませんでしたし、同級生がついてくる展開は改悪だったと考えます。

壮大さに欠ける

十二国記というわりに十二国全ては出てきませんし、国というより個人に焦点を当てている作品なので、世界観の割に壮大さに欠けるとは思います。

ストーリーの面白さはキャラの心理描写によるところも大きいですし、
世界観や哲学的要素に関心を持てなければ、退屈に感じる人もいるかもしれません。

陰鬱な展開

十二国記はいわゆる異世界転生アニメの一種であるわけですが、主人公は酷い目にばかり遭いますし、ハーレムどころか恋愛要素も皆無です。

そのため一般的な(深夜アニメとしての)ファンタジーアニメを好む層が本作を見て面白いと感じるのかは、ちょっと分からないです。


【総評】


異世界転生アニメの最高傑作。
原作は国産ファンタジーの最高傑作。

※個人の見解です。

独特な世界観や哲学的なストーリーは非常に魅力的だったと思います。

ただ原作だと戴国と雁国の話もかなり面白いので、そこが微妙になってるというのは少々気になる部分ではあります。

泰麒の話をやるなら、アニメでやるべきエピソードは「東の海神 西の滄海」ではなく、「魔性の子」と「黄昏の空 暁の天」だったはずです。

尺的に厳しいですが、全50話でアニオリ要素がなければ何とかなったのではないでしょうか。
まあ雁国の主従はファンに人気があるので、難しい問題だとは思いますが。

なんにしても、アニメだけだと戴国と雁国の話は余計なエピソードという印象がありますし、全体的な構成がイマイチでした。

とはいえ、アニメはアニメで名作クラスの面白さはあると思います。
小説を読むのが苦手という人には十分おススメできるクオリティです。



それはそうと原作は昨年完結しましたが、続編というか新プロジェクトとかは動いていないんでしょうか?
完結編だけで240万部という話でしたし、メチャクチャ売れたわけですけど・・・。
アニメとしてヒットするかは別問題という点がネックなんでしょうかね~。




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アニメレビュー








十二国記|NHKアニメワールド
https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=12kokuki